写真同じです
■金欄手様式・古伊万里とは、伊万里の港から積み出されたことから、江戸時代の有田焼をはじめとする肥前磁器をさす語ですが、古伊万里様式といった場合、「金襴手・金彩」とよばれる有田の色絵の様式を意味しています。この様式は、江戸時代の元(1688~1704)に現れ、現代にも引き継がれている有田を代表する様式です。金襴手とは、金糸を織り込んだ刺繍をした高価な織物―「金襴」(きんらん)に似た手(タイプ)といった意味です。染付の色は濃く、さらに赤や金の絵の具を贅沢につかい、花文様などを器面いっぱいに描きこんだこの様式は、経済的に豊であった元禄時代の気風を反映したものと考えられています。全体的に装飾効果が高く、輸送されたヨーロッパで好まれ、現在でも大型の蓋付壷など多くの作品が、世界各地の博物館や城を飾っています。
■沈香壷(じんこうつぼ)壺の中に香木をいれておき、普段は蓋をしめておきましが、来客時には蓋をあけて、芳しい香りを室内に漂わせて客をもてなすために使われたそうです。17世紀後半から18世紀後半にかけて肥前(佐賀・長崎県)で焼かれた沈香壺は、伊万里の港からヨーロッパ諸国に輸出されていました。そこで、肥前の磁器は、港の名前から国の内外で伊万里焼(オールド・イマリ)の名で呼ばれました。ヨーロッパに渡った沈香壺は、王侯の宮殿や貴族の邸宅に飾られ珍重されました。17世紀のヨーロッパを魅了した優美で華麗なスタイルは、今なお愛され続けて室内を絢爛豪華に彩ります。
■松竹梅・風雪や厳寒に耐え緑を保つ松と竹、他の植物に先駆けて開花する梅を、長寿・高潔・清純などの象徴とされています。松は常盤の松を指し、竹は節操高く高潔、梅は清香にして文雅と称されています。古くから装飾品や陶磁器など多種多様にその意匠は用いられて、祝い事にふさわしい華やかな文様で、めでたいもののしるしとされている吉祥文様です。
■扇・扇子は広げると扇形になり「末広がり」になることから、縁起が良いとされています。有田焼や伊万里焼の文様としては、扇型の窓絵のなかに花や鳥などが多く描かれてきました。典雅な文様で、幸せが末永く続くようにと願いが込められている伝統的な吉祥文様です。
■唐草・唐草文様は、植物の蔓が絡み合った様子を文様にしたものです。有田焼の唐草文様では、花・葉・実などをあわせて描く菊唐草、牡丹唐草、桐唐草や、蛸の足の吸盤をおもわせるところから蛸唐草文様とよばれるものなど種類も多用です。伝統的な文様として完成された美しさが万人に好まれ、有田焼や伊万里焼の作品に非常に多く描かれてきました。唐草は途切れることなく四方八方にのびていくため、延命長寿や繁栄を表す意味があるとされている伝統的な吉祥文様です。
■サイズ・高さ76.4cm 径42.6cm
(手造り、手描きのため色彩や寸法に多少の違いがある場合がございます)
■素材・磁器
■デザイン・桜・撫子・菖蒲・楓・松・竹・梅・桐・鶴・鴛鴦・蝶・菱文様・青海波文様・扇子・唐草文様・亀甲文様(吉祥文様)
■限定作品・陶歴しおり付き。作者銘入り。木札付き。桐箱入り。
■お取り扱い方法・有田焼の花瓶ですので特別なお手入れの必要はございません。